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多様な働き方にはチーム力と鈍感力がカギ?現代の母たちが語るリアル

[ Work ]2015/12/23 16:54

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「今の女子大生は、幻の赤ちゃんを抱いて就職活動する」。こんな言葉を聞いたことがありますか?就職活動の際、結婚・子育てを見据えて、両立できそうな待遇のいい会社を探す意味とされています。

今の日本においては、女子大生はもちろん、キャリアをスタートさせた女性にとって子育てはキャリアを中断させるという印象が強く、なかなか一歩が踏み出せないという思いを抱く方も少なくないかもしれません。

そもそも、今子育てしている母親たちは、キャリアのことをどう考えて向き合っているのでしょうか?

専門職から総合職へ転職した母里さん、総合職からキャリアをスタートさせ、10年間勤続の村上さん。女性が母になったときの希望や不安、そして今現在どんな選択をしているのでしょうか。

保育士の経験を活かし、こどもみらいプロデューサーとして活躍している小笠原さん、そしてキャリアコンサルタントの古澤さんをモデレータに迎えた「Crew Lounge for mama ママのキャリアを考えよう」での開催レポートを通して、等身大の母親たちのメッセージを送ります。




Exif_JPEG_PICTURE イベントの最中ものびのび遊ぶ子どもたち(筆者撮影)

「私」の優先順位に向き合う

ー子どもを持ってからどんな働き方を選択をされましたか?

母里さん:働いた経験が楽しかったので、自分と社会の断絶感を非常に感じて、家にいることが苦しかったですね。

会社員として復帰する選択肢もありましたが、とりませんでした。基本的にサテライトの体制で自宅勤務が出来るような、子どもの予期せぬ状態にも柔軟に対応できる子育てをしながら仕事ができる環境がいいと思い、会社と直に契約する関係を選択しました。

子育てと両立できるのか?というプレッシャーはもちろんありましたね。

村上さん:新卒で入った会社に10年間ほどいますが、自分の向かう方向と会社の向かう方向がマッチしていることを感じています。1人目を産んだ状況では自分のキャリアはあまり考えていませんでした。

ただ、2人目を生み、育休から復帰する3ヶ月前、「わたしこれから何をしたいんだろうか?」と向き合いました。正直なところ、以前の部署は有意義な仕事だったとはいえ、自分の性格と合っているか?はジレンマだったんです。

でも、自分のやりたいことを実現するためには能力が足りないと感じていました。

視点を変えればまた違う世界が開ける

村上さん:たまたま夫が学校法人を持っている会社に勤めていて、経営を学べるタイミングがありました。「いやいやわたしなんかが経営なんて無理・・」と思っていましたが、今までは会社とママ友、家庭という世界しかなかったものが、色んな業界の人の学びの中に身を置くことで、学生のときに感じたワクワク感を思い出しました。

3ヶ月間通ってみて、仕事が始まっても学ぶワクワク感は辞められないなと思いました。欲張りだけれど、育児、仕事、学校という3つを選択し、仕事に復帰して1年が経ちます。

小笠原さん:2人目出産を機に考え直すママは意外と多いんです。1人目のときはよくわからないまま通り過ぎてしまうけれど、2人目のときは子育てについてはある程度知っているから安心感が出ます。

視点が変わって、自分が何をしたいのかなと立ち止まる時間が持てるというのはあると思いますね。

Exif_JPEG_PICTURE パートナーシップ観について話すパネラー(筆者撮影)

家族というチームを組む

ーでは、子育てをする中でのジレンマは何でしょう?

母里さん:ワークライフバランスをとるのが難しくなってきたことですね。生まれてから半年間は抱っこ紐で仕事をしていました。それ以降はこどもの自我が芽生えてきて、昼間に仕事ができなくなりました。子どもが昼寝したり、夜寝てから作業することが多くなりました。なので、夫や家族の協力を得て土日に仕事をしています。

村上さん:「私の応援をしてくれる、その心は?!」と夫に聞いたことがあって。(笑)

「家族というチームとして捉えたときに、経済的にも精神的にも自分だけがチームを引っ張るとするならば、非常にリスクの高いチームだと思う。だから一緒に家族を支えていきたい。だから、好きなことのために学び続けて力をつけて欲しい。」といってもらえました。

小笠原さん:仕事の形、夫婦の考え方もいろいろですよね。人と人なので合わないこともあると思いますが、2人で共通のミッションを見つけて、チームでどう進むかがカギなのではと思います。

そこで夫婦の調和がとれると、家族の中での居心地の良さを子どもが感じ、応援してくれたりするので、チーム感が重要かなと思います。

Exif_JPEG_PICTURE 保育士ならではの子育てとキャリアへの視点(筆者撮影)

既存の枠を外していく

小笠原さん:いろんな枠を取りあえず外してみて、「自分がどんなことが好きなのか?」ということから、キャリアや子育てを考えられると、子どもたちもそんな親の姿を見て育っていくと思います。既存のものに縛られすぎず、自分の軸を大切に考えていただけたら嬉しいです。

村上さん:あまり周囲の環境にとらわれず、考えないで行動してみたらいいんじゃないかと思います。周りが逆についてくる、そういったことがあるので、考えるより行動せよ、ですね。

母里さん:自分のやりたいことをやっているんだけれども、正直今でも子育てをしながら働くということでまたここでも悩みを抱えています。でも、悩みはどの時点においても尽きないので、悩みを抱えながらも行動に移していくのが一番かなと思いますね。

「こうあるべき論」よりも「鈍感力」を

小笠原さん:ママとしてもキャリアウーマンとしても完璧でありたいというママが多いと感じています。でも、どっちも完璧ということはなかなか難しいのかなと思います。

ママになる前の女性の時点で「こうあるべき論」が先行し、責任を自分で背負ってしまう。家族を持ったらチームを組んで、夫婦2人だから出来ること、という次の段階に行った方が、心にも余裕ができるだろうなと思うんです。

古澤さん:外からの押しつけもある中で、その押しつけから鈍感になる感覚というか。

新しい女性を創りあげていいく、先駆者になるという気持ちで乗り越えていくと、多様性を自分自身がつくっていくことが出来るんじゃないかなと、キャリアの面談をしていて思います。

こうあるべき論は、キャリアにはないということは皆さんに知っておいてほしいと思います。

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後半のキャリアコンサルタント古澤さんのワークショップにも熱心に参加する参加者の皆さん(筆者撮影)




キャリアについての正解はあるのでしょうか?

特に子どもを持ってからの女性は、キャリアという視点ではなく、どんな人と家族というチームを組んでいくのか?の方が実は重要なのではないかと思います。

自分はどんな人生を歩みたいのか、どんなパートナーが居てほしいのか。

悩んで笑って、一生懸命日々を送っている母親たちの等身大のメッセージだからこそ、発する言葉一つ一つがスッと入ってくるようでした。

漠然とした不安を抱えるより、まずは自分の素直な気持ちを身近な存在と話すことから始めてみませんか?




パネラー
母里比呂子さん:日本航空を経てリクルートへ転職。結婚を機に退職。すぐにこどもを授かり専業主婦を選択。産後半年後から業務委託、ライターとして、フリーランスを選択。5月に株式会社を設立予定。1歳児の母。

村上瞳さん:2005年に新卒で人材関連会社へ総合職として入社し、10年間勤続。法人営業・内勤を経て、現在は経営企画室勤務。その間2回育児休暇を取得。2014年1月から経営を学んでいる。6歳児、2歳児の母。

小笠原 舞さん:こどもみらいプロデューサー、合同会社こどもみらい探求社共同代表、asobi基地代表。保育士として現場を離れ、子育て支援の団体を運営、教育プログラム企画を行う。

エアライナーの学びの場「Crew Lounge」主催者/モデレータ

古澤有可さん:エアライン就活「ストラッセ東京」代表、就職活動支援家、キャリアコンサルタント。関西外国語短期大学卒業後 2年間のOL経験を経て、スイス航空(現スイスインターナショナルエアラインズ)で国際線客室乗務員として9年半乗務。ファーストクラス・OJT資格保持。ドイツ語通訳。その後、ボランティアで行っていた就職支援活動を発展させ、就職・転職支援オフィス「ストラッセ東京」を立ち上げる。
URL:http://strasse-tokyo.com/

エアライナーの学びの場「Crew Lounge」主催者/

駒崎クララさん:株式会社KoLabo 代表取締役社長
神田外語大学外国語学部卒業後、アシアナ航空へ入社。客室乗務員として約7年半、日韓線及び長距離路線に乗務。7年半の間に二度の優秀乗務員賞を受賞する。
2012年、「航空会社の垣根を越えた、CAの情報共有やコミュニケーションの場を作りたい」という想いから、客室乗務員経験者専用 情報共有サイト『CREW WORLD』の運営をスタートさせ、株式会社KoLabo設立。現在は、『CREW WORLD』の運営に加えて、客室乗務員経験者のセカンドキャリアを支援する人材紹介サービス『KoLabo Crew Concierge』を運営。マスタービジネスコーチ。URL:http://www.kolabo.co.jp/

Licensed material used with permission by Flickr

 

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Happyw編集部