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選択肢を増やしてやり直しのきく社会に。離婚を決意して得た私の幸せの形。【古野崎ちち子氏】

[ Column ]2015/12/25 16:56

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恋人とどうもうまくいかない。夫となぜこんなにも喧嘩してしまうのだろう?この人とずっと一緒に居続けることは、私にとっていいことなのだろうか・・・?
男女関係についての悩み。多くの人が一度は経験されたことがあるのではないでしょうか。

イラストレーターの古野崎ちち子さんは、結婚19年目にして1人の母親として決意した離婚に至るストーリーをまとめ、『りこんみち 母さんは覚悟を決めたよ』を出版しました。

離婚というたやすくない決断への道のりとは、一体どんなものだったのでしょう?

生き方の選択肢の少なさ

dousite4_convert_20140508175201ブログ:「ちち子に金棒!」より〜

 

ー古野崎さんが結婚を決意した理由を教えてください。

古野崎ちち子:今は価値観が多様化している時代ですが、当時は結婚して当たり前。自分の周囲でもどんどん家庭を築いていく友人が増え、だんだん私も焦りを感じていました。

そのときの私は、「仕事ばかりじゃつまらない。虚しい。じゃあやっぱりこの辺で決めてしまおうか」という気持ちから、相手に対する不安があったにもかかわらず結果を急いでしまいました。両親に早く孫の顔を見せたいというプレッシャーもあったので。

そんな自分の経験から結婚は人生の選択肢のひとつだとつくづく思うので、もし、子どもが「結婚したくない」と言ったら、私はそれはそれでいいんじゃないかなと考えています。

もちろん結婚は、いろんな意味で人として成長する出来事ですし、子どもを授かる喜びは何ものにも代え難いことです。彼女たちが結婚するならば、喜びも悲しみも分かち合える人と巡り逢って欲しいと願っています。

ー結婚後、夫婦の関係性の難しさを感じたのはどんなときですか?

古野崎ちち子:夫が、夫婦で話し合い乗り越えなければならない問題を私には一切相談せず、自分だけで悩んで自暴自棄になっていたときです。

私は、夫婦は困ったことは互いに解決しながら生活していくものだと思っていたので、大切なことを共有できないさびしさから、せっかく結婚したのに自分がいつもひとりだという虚しさが常につきまとっていました。

そんな夫との生活は到底無理があるし、一向に直らない暴言に傷ついて何度か離婚も考えました

でも、「父がいて母がいて」というごく当たり前の家庭で子どもを育てたい気持ちが強かったので、結果「離婚」という決断を下せないでいました。今思うと、変な見栄を張っていたんですね。もちろんひとりで生きて行くという経済的な不安も大きな理由です。

内なる願いと放たれた一言

ー離婚を決めた最大の理由は何でしたか?

古野崎ちち子:子どもたちの前でお酒に酔って私につかみかかり(反対にマンガにあるように、私が大内刈りで勝っちゃいしましたが)、「一家心中しかない」とか、「おまえなんか生理的に嫌いだ」「家族が負担だ」と言われたことです。

働かないで部屋にこもりっきりの父親なんて子どもに悪い影響を与えるだけだろうし、私がまた結婚前のように体を壊してしまったら、今度は誰が子どもをみるんだ…ってことになっちゃいますからね。

そんなことから、「父がいて母がいて」なんて理想をつべこべ考えている状況ではなくなりました。「母さん離婚しちゃいなよ、あんなヤツ…」と、言った子どもの後押しがとても大きく、決断しなければならないときがやってきたんです。

hajimemasite-1_convert_20120918165917ブログ:「ちち子に金棒!」より〜

実は子どものころ、両親が共働きのため、自分の祖母といる時間が長く、それが楽しくなかったんです。両親に置いていかれた気持ちがありました。

保育園もお遊戯や昼寝がありますが、私はそれよりも家で絵を描いていたかったんです。

だから5歳前後のときに、よく家を脱走したんですよ。保育園の登園のために、部屋に呼びにくる時間だと感づくと、外へすーっと抜け出て。大人が自分を探すのを外のコンクリートのゴミばこの裏からドキドキしながらのぞきみていました。

離婚を決めたことで、子どものころのように嫌なものは嫌だと突き通す自分に戻ったと感じた瞬間もありましたね。

選択肢を持つことは、自分への勇気になる

ー自立した女性で居るために、必要なことはなんでしょうか?

古野崎ちち子:もちろん「離婚すること」を前提で結婚するわけではありませんが、結婚生活が必ずしもうまくいくとは限らないし死別することもあるので、出来る限り自分の力で生きて行く力は残しておきたいものです。

幸せなときはそんなことは、微塵も考えないかもしれないんですけれどね。「離婚するカップルは3組に1組」なんて言っていますが、実はしたいけど経済的不安から決断できない、踏み切れないという人はもっとたくさんいるのではないでしょうか。

やり直しができる社会は自分でつくることができる

ー古野崎ちち子さんが考える「幸せの形」って何でしょう?

古野崎ちち子:2012年にブログを始めたことにより、「私も同じ境遇です」「ブログを読んで勇気をもらいました」というコメントをたくさんいただき、そんなメッセージに私もとても助けられました。

自分が声を挙げることで、応援してくれる人がいる。自分の経験が誰かの力になっているなんて!これってとてもすごいなと思っています。

人の幸せは「健康」や「豊かさ」だけでなく、「誰かに必要とされること」も幸せのひとつなのだと気づかされました。今までは自分が幸せになりたいと思ってばかりでしたが、自分の発したもので新しい決意を踏み出せる人がいるのであれば、それも自分の「幸せの形」であるのだと。

離婚の話などは、なかなか友達からは聞けないことだと思います。だからこそ、本でたくさんの人に知ってもらう必要があると思っています。もちろんこの本を通して、夫婦や家族について考えるきっかけにもしていただけたらな…と思っています。

離婚、失職・・日本の社会は一回失敗してしまうとやり直しができない閉塞感がありますよね。これをどうにかできないものかと思っています。

「離婚」は終わりではなく「新しい人生への門出」であると信じたい。

ブログや本を通して私が発信し続けるのは、やり直しできない社会に対してのメッセージでもあるのだと思います。




筆者も小学6年生からは母子家庭に育ち、母親とともに心身の苦労、成長を分かち合った経験があります。

古野崎ちち子さんの『りこんみち 母さんは覚悟を決めたよ』はマンガ本としてとてもテンポよく読み進められます。決して笑えないことを、あえて笑い飛ばしていこうというメッセージが込められています。

人ごとではない、いつかくるかもしれない、人との別れの決断のタイミング。

一度手に取って、古野崎ちち子さんの人生を追体験してみませんか?

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『りこんみち 母さんは覚悟を決めたよ』
古野崎ちち子 著
( 本体価格 1.000 円  双葉社刊 )
装丁 名久井直子  法律監修 佐藤明(弁護士)  構成・編集 沢田康彦



『りこんみち 母さんは覚悟を決めたよ』詳細はこちらから
古野崎ちち子さん公式ブログはこちらから

Licensed material used with permission by 古野崎ちち子

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