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(前編)シェリル・サンドバーグが語る「女性のリーダーが少ない理由」

[ Movie ]2015/01/18 18:30

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FacebookのCOO(最高執行責任者)である、シェリル・サンドバーグは、世界銀行やマッキンゼー、Googleと輝かしいキャリアを持っています。キャリアウーマンのイメージを持たれる彼女がTEDで語ったのは、意外にも女性の社会進出について。

その後大きな議論を巻き起こした内容は、本「LEAN IN」に纏められてベストセラーにもなりました。女性必読の内容です。

本記事は、彼女がTEDで語った内容の書き起こしを掲載しています。


■スピーカー
シェリル・サンドバーグ氏/Facebook・COO

■見出し一覧
・トップに立つ女性、 経営幹部職や役員の僅か15〜16%
・女性を職場に留める3つのポイント「交渉」「対等」「留まる」
・その1:交渉 自身の能力を低く見積りがちな女性は、交渉しないので出世しない
・女性は手を挙げ続けなければけない
・その2:対等 収入と責任が同じ家庭では 離婚率が半分
・その3:留まる 真の決断の時まで、アクセルを踏み続けなさい

 

■動画
シェリル・サンドバーグ:何故女性のリーダーは少ないのか(2010)



 (読了予測時間:7分)

■トップに立つ女性、 経営幹部職や役員の僅か15〜16%

さて、今日この部屋にいる全ての人が、 幸運であることをまず認めてしまいましょう。我々は女性の職業選択が非常に制限されていた我々の母親や、祖母がいた時代に生きていません。今日この部屋にいる人のほとんどは、人権がある場所で生まれ育ちました。そして驚くべきことに、我々の住む世界には そのような権利を持っていない女性がいるのです。

しかしそれらに加えて、他に大きな問題があるのです。問題というのは、世界のどこをとっても女性が職場においてトップまで登り詰めないということです。統計にはそれが如実に表れています。190人いる首脳のうち、女性は9人。世界の議会の中で女性が占めるのは13%です。民間企業においても、トップに立つ女性、 経営幹部職や役員は、 15か16%程度です。

この数値は2002年から変わっておらず、状況は改善していません。しばしば女性が運営していると考えられる非営利部門においても、トップにいる女性は20%です。問題は他にもあります。女性は職場における出世と、個人的な充実感との間で厳しい選択を迫られるのです。米国における最近の研究によると、既婚の上級管理職の2/3の既婚男性に子どもがいたのに対して、子持ちの既婚女性は1/3に過ぎなかったのです。

1、2年前、私はニューヨークで商談をまとめていました。みなさんが想像するような、ニューヨークにある高価な未公開株式企業の中にいたのです。その会議は3時間程度だったのですが、2時間が過ぎたところで、用を足す時間となりました。

みんなが立ち上がる中、その会議を取り仕切っていたパートナーがとても困り始めたのです。私は、彼が女性用のトイレがどこにあるか知らないのだということに気がつきました。それで私は彼らがここに越して来てまだ間もないのだろうと考えたのです。

それで「このオフィスに越してきたばかりなの?」と聞くと「いえ、もう1年ほどいますよ」と言われ 「ということは、この1年でこの部屋で商談をまとめた女性は私だけということ?」と言うと彼は私の方を見て言った言葉は、「そうだね。もしくはトイレに行く必要のあったのがあなただけだったのかも」(会場笑)

■女性を職場に留める3つのポイント「交渉」「対等」「留まる」

さてそれでは、どうやってこの問題を解決するのでしょうか? どうやってこれらの数値を変え、どうやって変化を起こすのでしょう?まず始めに、どうやって女性を職場に留めるかについて話したいと思います。それが問題の解決につながると思うからです。

高収入を得る人、トップにいる人々、 フォーチュン500の CEO や、他の業種における似たような地位の人々について、私が確信している問題とは、女性が辞めてしまうということです。既に多くの人が、フレックスタイムやメンターについて、そして社内の女性研修について語っています。

もちろん重要なことですが、 今日はそれらについて話すのではありません。一個人としてできることについて話したいと思います。自分自身に言い聞かせなければならないこととは? 一緒に働いている女性や、我々の娘に伝えるメッセージとは?

最初にハッキリ申し上げると、ここで良し悪しについて語るつもりはありません。答えはまだ見つかっておらず、自分自身についても分からないのですから。

私はサンフランシスコの自宅を月曜日に発ち、このカンファレンスにやって来ました。3歳になる娘を保育園に届けると、娘は私の脚に抱きつきながら、「ママ、行かないで」と泣きつきます。罪悪感にさいなまれます。私の知る限り、主婦をしていようと働いていようと、そう感じない人はそうそういないでしょう。なので職場に留まるということが全ての人にとって良いと言うつもりはありません。

今日話したいこととは、職場に留まりたいとき、どのようなメッセージを贈るのかということです。3つのことがあると思います 。一つ目に、交渉すること。2つ目に、パートナーと対等になること。そして –よく聞いて下さいね– 最後まで留まるということです。

■その1:交渉 自身の能力を低く見積りがちな女性は、交渉しないので出世しない

最初のメッセージ : 交渉してください

1、2週間前に我々は政府の要人を Facebook社に招待し、シリコンバレー中の経営役員と引き合わせました。みんながテーブルに着こうとすると、その中に彼と一緒にやって来た、同部門にいる2人の女性幹部がいました。そこで私が「こっちに来て座りなさいよ、さあ」と言うと、彼女らは部屋の隅に座ったのです。

私は大学の4年次にいたころ、ヨーロッパ文化史という講義を取りました。興味をそそられるでしょう?できるなら、また取りたいものです。そこには当時聡明な文学少女で、そのまま研究の道に進んだクラスメートのキャリーと、当時2年次にいた、賢いけれどスポーツばかりやっている医学部進学課程にいる弟がいました。

我々3人は同じ講義を取ったのです。キャリーは全ての本を原文のギリシャ語とラテン語で読み、全ての講義に出席していました。私は全ての本を英語で読み、 殆どの講義に出席していました。その一方、私の弟は忙しくて、読んだ本は12ある内の1冊で、数回の講義に顔を出し、試験の数日前に我々の部屋に来て試験勉強を行うというありさまでした。

我々3人は一緒に3時間の間、青色のノートを見ながら試験を受けました。–もう私の歳が分かっちゃいますね– 試験会場を出た後、お互いの顔を見ながら「どうだった?」と聞くと、キャリーは「はぁー、ヘーゲル弁証法の主題をちゃんと説明できたか 不安なのよ」と言い、私は「ああ、ジョン・ロックの(労働)所有説とそれに続く哲学者をちゃんと結びつけることができれば良かったんだけれど」と続きます。その一方で私の弟は「俺がクラスで1番の出来だろうな」と。「クラスで1番の成績ですって? 何も分かってないじゃない」

このやり取りから分かることが データにより明らかにされています。女性は自身の能力をより低く見積もってしまうのです。女性と男性に対してGPAの様な、完全に客観視することのできる質問をすると、男性の回答は実際より高く、女性の回答は実際より低くなるのです。

女性は職場で自分のための交渉を行わないのです。過去2年間で大学を卒業し 働き始めた人たちに関する研究によると、 57%の男子が — いえ、もう男性ですね — 初任給の交渉を行うのに対して、女性は7%しかそうしないのです。

そして最も重要なことに、男性は出世は自身が勝ち得たものだと思うのに対し、女性は外的要因に理由を求めるのです。なぜ上手くやっているのか男性に聞くと、彼らの答えは「俺がイケてるからだよ。そりゃそうだよ。なぜそんなこと聞くの?」。女性に同じ質問をすると、誰かが助けたとか、幸運だった、とても頑張ったなどと言います。

なぜこのことが問題なのかと思うかもしれませんが、これはとても重要なことなんです。交渉を行わずに役員のポストを獲得する人などいないのですから。同様に、成功すると確信していない人や、自身の成功とは何かを理解していない人が出世するということもありません。

もっと簡単に言うことができれば良いのですが、一緒に働いている若い女性全員に、素晴らしい女性たちに「自分自身を信じて、自身のための交渉して、出世を勝ち取って」と言いたいのです。

私の娘にもそう言いたいのですが、これはそんなに単純なことでは解決できません。データによると、出世と好感度には男性の場合は正の相関がある一方で、 女性の場合は負の相関があるのです。頷いているところを見ると、皆さんそれを正しいと知っているということですね。

女性は手を挙げ続けなければならない

ある秀逸な調査がそれを本当に上手く表しています。ハーバード・ビジネス・スクールが行った、ハイディ・ロイゼンという女性に関する有名な調査があります。彼女はシリコンバレーにある会社のオペレーターで、人脈を駆使して投資家になろうとしていました。

2002年、コロンビア大学にいた教授がこの事例を取り上げたのです。彼はこの事例を2つの学生グループで実験してみました。ただ1語だけ変えて : ハイディ(女性名)からハワード(男性名)です。

しかしこの1語が大きな違いを生んだのです。

学生を調査してみると、 ハイディとハワードは同程度に能力があると 学生は評価していたことが分かりました。良いことです。悪い知らせは、みんながハワードに好感を持ったのです。素晴らしい人で、一緒に仕事したり、 釣りに行ったりといった感じです。

でもハイディは?「うーん、、彼女はちょっと身勝手で、抜け目が無い。彼女と一緒に働きたいか確信が持てない」。これが問題なのです。娘や同僚に対して、最高の成績を修めたのだと信じるよう言い聞かせなければなりません。出世するため、 交渉するために。そしてそのためには、男の兄弟はしなくても良い犠牲を伴うのだと教えなければなりません。最も嘆かわしいことに、これを意識するのはとても難しいのです。

これから本当に恥ずかしいことを話すのですが、 重要なことです。私は少し前にこのような話をFacebookで、百名ほどの従業員に対して行いました。数時間後、そこで働いている若い女性が 私のデスクの近くで話をしたいと座っていました。

オーケーと言って座って彼女と話し始めると、 彼女は「今日は得るものがありました。手を挙げ続けなければけないということです」と言い、私が「どういうこと?」と聞くと 「講演をした後に、あと2つ質問を受け付けると言い、 私は他の人たちと同様手を挙げ、あなたは2つの質問を受け付けました。それで私は手を下げたのですが、他の女性も全員下げたのに気がつき、あなたは質問に答え続けたのです。男性だけから」。

そこで思ったのは、このことに注目し、– その講演までしている — そんな私がその講演の最中にも、男性の手が挙がったままか、女性の手が挙がったままかも気がつかないとしたら。 会社や組織の管理者として、我々は男性がどれほどチャンスに対して女性より積極的だということに気がついているのだろう?女性を交渉の椅子に座らせなければなりません。(会場拍手)

Happyw編集部