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人生を諦める人を減らしたい—仕事と育児の両立をキャリア教育に【スリール堀江敦子氏】

[ Column ]2015/03/01 18:32

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就職前の学生が共働き家庭へ行き、子育てをサポートしながら将来の仕事と子育てについて考えられるようになる「ワーク&ライフ・インターン」事業を行うスリール株式会社代表の堀江敦子さん。背景には、仕事と子育ての両立が課題となっている現在の日本において「人生をあきらめる人を減らしたい」という想いがありました。

昨年、経済産業省の「第5回キャリア教育アワード 優秀賞」を受賞し、ますますその活躍が期待されている堀江さんに、この新しい形のインターンシップ事業の意義について伺ってきました。
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■キャリア教育として、就職前に仕事と育児の両立を学んでもらう

弊社が行っている「ワーク&ライフ・インターン」は、学生が共働き家庭へ4ヶ月間、2人1組でお伺いし、お子様を預からせていただきながら、実際に共働きの社員の方に仕事と子育ての両立の話を聞く、というものです。期間中には、様々な企業の社員の方から自身の生き方や働き方についてお話を伺ったり、外部講師を迎えて社会の変化について学ぶ機会を設け、10年後の自分について考えるキャリア勉強会も実施しています。

このような、共働き家庭へのインターンというリアルな現場体験と、キャリアについて学ぶ機会を相互にやっていくという点がこのプログラムの大きな特徴です。学生が、自分の将来における「働き方」や「仕事と子育ての両立」などについて経験と学びを通じて現実的に捉えることを目的とした、キャリア教育の一環なんです。

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■「人生を諦める人」がいるのは、社会に出る前に将来を考える機会がないから

私がこの事業を始めた背景には「人生を諦める人を減らしたい」という想いがありました。今は特に、女性が子育てを機に自分の人生を諦めてしまうことや、男性が仕事ばかりで子育てするのを諦めてしまうことを変えていきたいと思っています。

学生時代、まわりの女友達に話を聞くと、何かをやる前から諦めてしまう友達がとても多かったんですね。女子大だったので、彼女たちは「チャレンジングな仕事をやってみたいけど、どうせ私には無理」という考え方でした。すごくもったいないなと感じていたんです。

さらに社会人になったときに、新宿区のワークライフバランスの冊子を作る編集委員をやっていたんですが、そのときのメンバーの中で最も仕事ができたのが専業主婦の方たちだったんですよ。コミュニケーション能力もすごく高いし、言われたことズバーッとやってくる。「なんでこの人たち主婦をやっているのかな、もったいないな」って普通に疑問に思ったんですよね。

その疑問をある1人の方に深く聞くと、「なんでもっと早く自分のキャリアについて考えなかったんだろう」ということをおっしゃってたんです。彼女、結婚前は総合職で働いていたんですが、結婚後退職して専業主婦になって「経済的な損失」や「社会的な損失」を強く感じるようになったそう。ほとんど社会人と出会えなくなって、子育てしかしていないような生活で、自分は本当に世の中の役に立っているんだろうか?ということにすごく疑問を感じているとのことでした。

でも、実際に再就職しようとすると保育園問題が出てくるんですよね。基本的に働いている人しか子どもを保育園に入れられないので、働きに出ることが難しい状況なんです。そうならないためにも、社会に出る前の早い段階から、働き方や子育てについてちゃんと考える機会が必要だと思ったんです。

そこで、自分が学生時代に社会起業家の方のお子さんを預かっていた経験から現在のスリールの中心事業である「ワーク&ライフインターン」の仕組みを考、起業しました。当時は子守りとともに、その方の仕事の様子も見せていただき、そこで初めて生き方と働き方がつながったんですよね。そういう経験を学生のうちにすることで、早い段階から自分の将来について考えられるんじゃないかと思い、25歳のときにそれまで勤めていた会社を辞めて、スリールを立ち上げました。
Atsuko Horie 堀江敦子

■子育てのシェアで共働き家庭も学生もwin-winの関係に

「ワーク&ライフインターン」は、共働き家庭にとっては子育ての負担を減らし、学生にとっては将来訪れるであろう仕事と子育ての両立を間近で見ることができる貴重な機会です。子育てをシェアすることで双方にメリットがあるんです。またお子さんにとっても様々な大人に愛されることは幸せなことだと思うんですよね。

実際にインターンに参加した学生の87%が「社会人になることに前向きになった」と回答しています。そして、「制度に頼ることなく自律的に仕事と子育てを両立する」と答える学生が13%から60%に向上しました。漠然と抱えていた仕事と子育ての両立について、インターンを経て「自分次第で両立ができる」と考えるように変化したと言えるでしょう。



また、受け入れ家庭の方でもSEの方が時間に余裕ができたことでMBAを取得し、管理職になることに前向きになってどんどん昇進していく、など嬉しい変化もありました。

創業4年目の現在は、この事業をスケールアウト(拡大)する方向に向かっています。少しずつ、世の中に認められながらインフラにしていこうとしているところです。

■とにかく発信し続け、少しずつ行動することで道が開ける

自分の現状にもやもやと悩んでいる人に伝えたいのは「諦めないで」ということですね。「自分がこうなりたい」ということを発信し続けることで、必要な情報や方法を周りの人がくれると思います。するとだんだん導かれて、自分のやりたい方向性に少しずつ近づき、道が開けてくるでしょう。

それから、自信を失いそうになるときほど、周りを頼ってサポートしてもらってください。自分ひとりだけでは自分のやりたいことは実現できませんから。これは過去の自分に言いたいことでもありますね。

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編集部より:
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(プロフィール)
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堀江 敦子
スリール株式会社 代表取締役
http://sourire-heart.com/
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Happyw編集部